斬新な視点と構成で一気にやみつきに!アニメ「虚構推理」のレビューまとめ

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こんにちは!

今回は、アニメ「虚構推理」についてレビューしていきます!

推理系の作品が好きな人、特に王道の「主人公の目線に立ち、主人公と一緒に推理を構築しながら読み進める」といった作品を読み込んでいる人は、「スタート地点とゴール地点を知った上でどのように推理が構築されていくのか見守る」という斬新な視点と構成を楽しめるでしょう。

もし興味のある方はぜひ最後まで読んでみてくださいね!

アニメ「虚構推理」のあらすじ

主人公の岩永琴子は見た目は少し幼く見えるごく普通の女子大生。しかしその正体は、幼い頃に自身の右目と左足を捧げて得た叡智で怪異たちを助ける「知恵の神」でした。

その隣にはかつて怪異の肉を食い、「不死身の体」と「命を引き換えに未来を決定する能力」を持つ恋人の桜川九郎。

本来交わってはいけない怪異と人間の間に起きる「人の道理から外れた事象」。

それに悩む怪異や人間から舞い込む相談や事件を、琴子は知恵と九郎の能力を駆使し、真実を隠した「虚構の推理」を構築し解決に導いていきます。

アニメ「虚構推理」の魅力を徹底レビュー

「人間の世界で起きた、実際は怪異の不可思議な力によって起きた事件」。それを怪異の存在を伏せ、嘘を交えながらながら如何に筋が通るように人間に説明し納得させるかという「虚構の推理の構築」が魅力の1つです。

構築の際、そこそこのパワープレイが主人公たちから繰り出されますが、最後には警察の事情聴取にも回答できるほどの現実的で理屈の通った推理が構築されるので、視聴後はその決着に思わず感嘆の声が漏れます。

主人公の琴子の元には怪異たちからのタレコミがあるので、推理系の作品には珍しい「視聴者も真相を知った状態から事件の詳細を見ていく」という視点を有しているのも特徴です。

虚構推理は「真犯人を特定する推理」より、「犯人を追い詰めていく主人公たちの動き」にフォーカスが当たっています。この辺りに先ほどの主人公たちのパワープレイが関係してくるのですが、正直この虚構の推理の構築は主人公の琴子と恋人の九郎でなければ成立させることは難しいでしょう。

主人公の琴子は本人の持ち前の頭の回転の速さもありますが、怪異たちからの情報提供という強い武器を持っています。殺人現場に浮遊していた怪異たちから直接「犯人はだれか」という情報が手に入るのです。

警察を凌ぐ情報収集力は最初視聴した時こそ「チートでは?」と過りましたが、作品「虚構推理」の真髄は「真犯人の特定」にあらずと後々知らしめられます。

次に琴子の構築した虚構を真実にするために必要なのが九郎の能力です。琴子の大学の先輩であり恋人の九郎は、かつて2種類の怪異の肉を食べたことにより「不死身の体」と「自分の命と引き換えに自分の望む未来を選ぶ能力」を有しています。

九郎はこの能力を駆使し、「琴子が構築した虚構の推理こそ現実世界での真実」という未来を選び、証明します。

琴子が推理を構築する際、真相にいる怪異がその構築を阻もうとするので、九郎は琴子のボディーガードも兼ねて怪異と死闘を繰り広げ、その合間に能力を使い自身や琴子の望む未来を選択します。怪異が手強いほど九郎も死を重ねますが、負傷してもすぐさま回復する肉体もまた、強力な武器と言えます。

虚構推理のもう1つの魅力は、主人公や事件に巻き込まれた怪異・人間たちの関係性や心理描写です。

その事件が起きるに至った経緯やその時怪異と人間がどんな感情を抱いて接し合ったか、この辺りが詳細に描写されるので1つ1つの事件に感情移入しやすい環境ができます。

人間と怪異の時間の体感や曜日感覚の違いが推理のギミックに使用されるケースもあり、そこでもまた「本来絶対交わらない存在が出会い、感性を共有し、関係を育んでいる」と実感させられます。親愛や恋慕、あるいは怨嗟、恐怖…怪異が抱く心情もしっかり描かれ、時に人間より人間らしく映るのも面白い点です。

心理描写は主人公たちもされます。一見「彼らは本当に恋人同士なのか?」と思うほど、およそ交際しているとはかけ離れた雰囲気の言い合いをしていたりするのですが、じっくりと見ると九郎が義足義眼の琴子を守ったり言外に労わる仕草が見つかり、やはりどこにでもいる恋人同士だと少し安堵すらします。

その一方で、「怪異たちの知恵の神」である琴子と「不死身」の九郎という点を見ると、琴子は「怪異の心境は汲み手を差し伸べるけど人間に対しての助力は線引きをする」「不死身といえ、恋人の九郎が死ぬのを前提で解決への道を構築する」、九郎は「自身の死に対し能力を使う過程で発生する事象としか捉えてない」など、どちらも人間から外れた存在特有の感性のズレが見られ、中々に興味深い描写となってます。

見方によっては怪異の方が人間味があるかもしれませんね。物語の中には主要人物として九郎のいとこであり同じ能力を持つ桜川六花と対立する場面もあり、主人公2人の感性や関係が今後どうなっていくのかも気になります。

まとめ

「真相を究明する」のではなく「登場人物たちが皆納得する結論に持っていく」ことを重視しているので、推理を構築する探偵役が嘘を吐くことに抵抗がないのも推奨の条件ではありますね。

主人公がチート級の能力を持っている設定が好きな人なども、この作品を安心して、かつ楽しんで視聴を進めることができます。

また、人魚や雪女など有名な妖怪やくだんのような少しマイナーな妖怪の他にも多くの怪異が登場しその存在や伝承に関して触れるので、そういった怪異・都市伝説・民俗学・宗教・民間伝承・呪術などに興味がある、またはその知識がある人だと、より一層物語を深く楽しめると思いますよ。

この記事が少しでも参考になれば幸いです!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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